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重賞ウイナーINFORMATION

  • サラ系4歳上 (国際) ハンデ
  • 芝1800M
  • 天候:晴
  • 芝:良

マルターズアポジー

戦歴 19戦7勝 生産者 (有)山岡牧場 馬主 藤田在子
調教師 堀井雅広 騎手 武士沢友治

取材ノート

   2月19日に行われた第51回小倉大賞典(G3)は、4番人気のマルターズアポジーが2着のヒストリカルに2馬身差をつけ優勝。自身の持ち味を活かして逃げ切り、福島記念(G3)以来の重賞2勝目を挙げた。

   本馬の産まれ故郷の有限会社山岡牧場では、いつもより少し早めに収牧をし、自宅のテレビ前で家族皆で見守っていたそうだ。画面に映し出されるパドックを見ながら、代表取締役の山岡政裕さんは「レースになると少しカリカリする面がある馬ですが、筋肉がついて体も良くなっていて成長を感じました。調教師からは『小倉へ勝ちに行く』と聞いていたので、成長した馬体は心強く感じました」と思ったそうだ。競馬に絶対はないとはいえ、思い描いていたとおりの逃げ切り勝ち。

   「本当に嬉しかったです。重賞を二つも勝ってくれるとは」と、喜びいっぱいの笑顔を見せた。楽に逃げたとはいえ、前半1000mは57秒6のハイペース。「ペースは速かったですが、以前より落ち着いていて、レースを覚えてきているなぁという印象を受けました。G1(前走の有馬記念)を走った経験が活きているのかもしれないですね。」と本馬の成長を実感し嬉しそうだ。レース後は喜びを分かち合うのもつかの間、家族で嬉しいお祝いの電話対応に追われたという。

   父と母それぞれの良いところを受け継いで誕生したマルターズアポジーは、しっかりとした体つきをしており、大人しく手のかからない仔だったそうだ。幼少期を過ごした有限会社山岡牧場は、新冠町の市街地にほど近い新冠川のほとりにある。政裕さんと奥さん・娘さんの家族3人で7頭の繁殖馬を繋養しており、同じ場内で馬輸送業も営んでいる。

   政裕さんは、競走馬を育てるうえで、とにかく手をかけることを大切にしているそうだ。

   「馬は少し時間をかければ理解をするし慣れます」と話すように、多少リスクがあることでも慣れさせるようにし、将来競馬場へ入った時も馬にとって驚くことが少ないようにと考えているという。お仕事柄関わりの多い馬運車では「競走馬は馬運車の移動がついてまわるので、牧場では乗り降りに慣れさせるようにしています。初めからすんなりと乗る強い精神力の馬もいますが、最初は乗るのを嫌がる馬も多いです。でも2〜3回馬運車の入り口に連れて行き馬自身が理解すれば、自らすんなりと乗るようになりますよ」と話す。

   放牧についても当牧場が市街地に近い位置にあるだけに、周囲からは野犬や鹿のリスクを心配する声もあるそうだが「馬の方も鹿と一緒に平気で放牧地にいるほどすぐ環境に慣れますし、今まで特に大きな問題はないです。新冠でも割と古くから昼夜放牧を行っている方だと思います。」

   次走は、今年G1へ昇格となる大阪杯(G1 芝2000m)かダービー卿CT(G3 芝1600m)が予定されている。「距離はダービー卿CT(G3)の方が良いかなぁとか色々思ったりもしますが、まずは無事是名馬。何より無事に長く走ってくれれば…と思います。これからは逃げ馬の宿命でもっとマークされますから、どこまで逃げ切れるかですね」と話す政裕さんの顔は穏やかでいて楽しみな期待に満ちていた。

   さらなる上の舞台でも他馬に影を踏ませずどこまでも逃走する姿を期待したい。