文字サイズ

文字サイズとは?




重賞ウイナーINFORMATION

  • サラ系3歳 (国際)牡・牝(指定) 定量
  • 芝1600M
  • 天候:曇
  • 芝:良

アエロリット

戦歴 6戦2勝 生産者 ノーザンファーム 馬主 (有)サンデーレーシング
調教師 菊沢隆徳 騎手 横山典弘

取材ノート

 重賞未勝利ながら、このNHKマイルC(G1)では2番人気の評価を集めたアエロリット。2番手でレースを進めると、直線ではいち早く抜け出し、セーフティリードを保ったまま先頭でゴール板を駆け抜けた。

 ノーザンファーム空港で育成を担当していた窪田淳調教主任も、「4コーナーを唸るようにしながら走ってきた姿に、行けると思ってましたが、勝ったときはそれ以上の喜びがありました。牧場のスタッフには『初めて見たときからG1を勝てる馬だと思っていた』と話していましたが、正直、この時期にタイトルを取れるような馬となるとは思っていませんでした」とレースを振り返る。

 その話の中で窪田調教主任が、「この時期にタイトルを取れるような馬となるとは思っていませんでした」と語っていたが、それはアエロリットが5月17日生まれだったことにも関係している。

 「初仔ながらクロフネ産駒らしさが毛色や馬体、そして緩さのある動きにも現れていました。そうはいっても遅生まれのハンデは感じさせること無く、跨がってみると芯が入っていてしっかりした馬だなとも思いました」(窪田調教主任)

 ただ当時は、アエロリットに跨がったことの無い周りの印象もまた、「5月生まれのクロフネ産駒」だったという。それでも、ほとんど休まずに調教を続けて行く中で、馬体にもボリュームが出てくると、いつしかネガティブな評価はほとんど聞かれなく無くなっていった。

 5月生まれとは思えない成長度を見せたアエロリットは、生まれてから約2年1か月後に行われたメイクデビュー東京に出走。自分よりも数か月も早く生まれた馬たちを相手に、見事、勝利を収める。

 「まだまだ頼りない部分を残したままでのメイクデビューでしたが、それでもあの勝ち方ができたことで、ひょっとしたら重賞まで手が届くのではと思いました。このレースの後、新潟2歳S(G3)に出走させるプランもあったようですが、菊沢先生から『疲れも出ているようなので、間隔を取ってレースを使いたい』との進言があり、それが更なる成長に繋がったと思います」(窪田調教主任)

 再び、ノーザンファーム空港に戻り調教されたアエロリットは、プラス6sの馬体で出走した10月のサフラン賞では2着に入ると、続くフェアリーS(G3)では更に馬体を10sプラスして2着に入着。その後のクイーンC(G3)、桜花賞(G1)は馬体を減らしているものの、このNHKマイルC(G1)ではメイクデビューより2s増となっており、2歳時に作った馬体重の貯金がしっかりと残っていたとも言える。

 「負けているレースも成長した姿を見せていてくれたので、いつか重賞でも出番は回ってくると思っていました。今回もG1ではありましたが、アエロリットらしいレースができたのなら…と思っていたのは事実です」(窪田調教主任)

 この勝利に際して、窪田調教主任は菊沢調教師や、中間の管理を任せられたノーザンファーム天栄スタッフへの感謝も口にする。

 「一番、馬が成長していく時期に、厩舎の皆さんや天栄のスタッフがそれに合わせながら接してくれたことが、成長した姿とこのレースの結果として表れたと思います。G1馬にはなりましたが、生まれ月を考えても更に成長できる馬だと思いますし、今後もG1戦線を沸かせてもらいたいです」(窪田調教主任)

 レース後、菊沢調教師からは、「距離が伸びても可能性はある」とのコメントも聞かれており、今後はマイルだけでなく、牝馬三冠レース最後の一冠となる、秋華賞(G1)への出走も見込まれている。いずれにせよ、一夏を超したアエロリットが、更に逞しく、そして強くなっていることだけは間違いなさそうだ。