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重賞ウイナーINFORMATION

  • サラ系3歳上 (国際)(指定) 別定
  • 芝1400M
  • 天候:雨
  • 芝:重

サングレーザー

戦歴 10戦5勝 生産者 追分ファーム 馬主 (株)G1レーシング
調教師 浅見秀一 騎手 C.デムーロ

取材ノート

 「破竹の勢い」という言葉がある。竹の一節に割れ目を入れると一気に割れていくことを、勢いの激しさになぞらえたものだが、500万下からの4連勝でこのスワンS(G2)を制したサングレーザーの快進撃は、まさに「破竹の勢い」と呼ぶに相応しい。

 「4連勝での初重賞制覇とは驚きでしたが、それも能力が無ければできないことだとも思います」と連勝での初重賞勝利に、追分ファームリリーバレーの太田啓司氏の表情もほころぶ。

 父ディープインパクト、母マンティスハントの間に誕生したサングレーザー。母の兄弟にはロフティーエイム(福島牝馬S(G3))、メーデイア(JBCレディスクラシック(Jpn1)などダート重賞を6勝)と重賞馬もいる良血馬であり、さぞ育成スタッフからの期待も大きかったのではないかと思いきや、その評価は二分されていたという。

 「ディープインパクト産駒らしい背中の良さと、飛びの大きさを評価されていた一方で、トモの緩さが抜けきらないことが気になるとの話も聞かれていました」

 サングレーザーは早期のデビューを見越して、6月の上旬には浅見秀一厩舎へと移動。その後、厩舎スタッフの元で鍛錬を積まれることになるが、その際、太田氏は浅見厩舎のスタッフから、その能力を絶賛する声を耳にする。

 「そのスタッフの方は走りも良く、父の長所が出ていると話してくれました。体力面も申し分なく、乗り味もしっかりしているとも聞いており、向こうに行ってから馬がガラリと変わったのではと思った程です」

 7月9日のメイクデビュー中京に出走したサングレーザーは、13頭中4番人気の評価を集め、不良馬場をものともせず3着に入着。続く2歳未勝利戦で初勝利をあげると、デイリー杯2歳S(G2)では勝ったジューヌエコールから0秒1差の3着。続くホープフルS(G2)でも次の年の日本ダービー馬となるレイデオロとは0秒5差の5着に入着する。

 重賞制覇、そしてクラシック出走も見えてきた3歳の春だったが、人気に応えられないレースが続いていく。5月6日の500万下でようやく2勝目をあげるも、陣営はクラシック路線には向かわずに更なる成長を見越して、追分ファームリリーバレーでの調整を選択した。

 「ゴールデンウィーク明けには牧場に戻ってきていました。レースを使ってきた疲れも無く食欲も旺盛でしたし、すぐに乗り出しも図れたほどです」

 その後も順調に調教を積んだサングレーザーは、7月上旬まで追分ファームリリーバレーで管理をされると、7月30日に札幌競馬場で行われた道新スポーツ賞へ出走。この調整における充実ぶりが現れたとも言える、前走よりプラス16sの馬体重で2着馬に1馬身1/4差をつける快勝を果たす。

 続く仲秋Sも勝利して、ついにオープン入りを果たしたサングレーザーは、自身3度目の重賞挑戦となるスワンS(G2)に出走。ここ2戦では古馬を相手としないようなレースを見せてきたとはいえ、このスワンS(G2)には2頭のG1ホースを始め、この後のマイルChS(G1)出走を目指す強豪馬たちがずらりと揃っていた。

 サングレーザーにとってまさに試金石というべきレースでもあったが、重賞ウイナーどころか、春のスプリントG1チャンピオンであるセイウンコウセイも差し置いて、なんと2番人気という高い評価を受ける。しかも、降りしきる雨の中で行われたレースは重馬場となったが、太田氏はこの馬場をそれほど苦にはしないだろうとの見方をしていた。

 「渋った馬場でも連対していたように、経験値という意味でも心配は無いと思っていました。それでも馬場を問題としないほどの瞬発力でしたし、何よりもゴール前での叩き合いを見て、勝負根性の凄さも再確認しました」

 次走はこの勝利で優先出走権も手にしたマイルChS(G1)への出走を表明。連勝の中身もさることながら、その勢いにまだ3歳馬という成長力が加味されれば、一気にG1制覇も成し遂げてしまうのでは無いかという気もしてくる。

 「今回は重馬場での勝利となりましたが、本来は良馬場でこそ本領発揮できる馬だと思っています」と話す太田さん。マイルChS(G1)の馬場状態がどんなに変わろうと、破竹の勢いで勝利を重ねるサングレーザーにとっては全く問題がないと言えそうだ。そしてこのマイルChS(G1)も勝利すれば、なんと5連勝でのG1制覇ともなる。

 「4連勝もなかなかできることではないと思いますが、5連勝でしかもマイルChS(G1)を勝利できたのなら、本当に凄いことですよね」

 下級条件から連勝で一気にG1馬へと上り詰めた馬にはタマモクロス(天皇賞(春)(G1))、アロンダイト(ジャパンカップダート(G1))などの名前もある。マイルChS(G1)のゴール前、まさに竹を割ったように一直線に伸びてくるのはサングレーザーなのかもしれない。