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重賞ウイナーINFORMATION

  • サラ系3歳上 (国際)(指定) 定量
  • 芝2400M
  • 天候:晴
  • 芝:良

シュヴァルグラン

戦歴 22戦7勝 生産者 ノーザンファーム 馬主 佐々木主浩
調教師 友道康夫 騎手 H.ボウマン

取材ノート

 7度目の挑戦で掴んだG1制覇。しかし、その予兆をノーザンファーム早来の林宏樹調教主任は背中越しに感じ取っていた。

 「1歳の頃から調教を付けてきた馬ですが、重賞で勝ち負けできる能力を持っている割には、調教ではずぶさを見せることもあり、また、トモの緩さが抜けきらない印象もありました」

 3歳の夏から毎年のようにノーザンファーム早来で調整されてきたシュヴァルグランであるが、昨年はレース後の疲労が激しく、当初予定していた京都大賞典(G2)に間に合わず、アルゼンチン共和国杯(G2)にローテーションを変えざるを得なかったという背景がある。

 「ジャパンカップ(G1)も決して万全とは言えない状態で3着まで来てくれたのですが、これは友道先生や津田助手など、厩舎の皆さんのバックアップがあってのことだったと思います」

 その意味ではこの夏は目立った疲れもなかったどころか、速い時計の乗りだしまでも時間を要することなく、追い切りの時計も何本も消化できていたという。しかも林調教主任はシュヴァルグランの内面の変化も感じ取っていた。

 「競走馬は年齢を重ねていくと、調教に慣れてしまうのかずぶくなる傾向が見られますが、シュヴァルグランは年々活気が出てきて、特に今年の夏は見違えるような動きを見せていました」

 その変化は気合いだけでなく、動きにも現れていた。これまで緩かったトモはグッと地面を捕らえるようになり、それは坂路を駆け上がっていった時の推進力の違いともなっていた。ノーザンファーム早来で乗り込みを図られたシュヴァルグランは、友道厩舎に戻ってからも栗東トレセンのCウッドで好時計を記録。そのタイムを見た林調教主任は改めてシュヴァルグランの更なる成長を感じ取っていた。

 秋初戦となる京都大賞典(G2)こそ3着に敗れたものの、十分な間隔を取って出走したジャパンカップ(G1)。鞍上は今年のワールドベストジョッキーに輝いたH.ボウマン騎手となり、最内枠からスムーズなスタートを切ると、逃げたキタサンブラックをマークする位置でレースを進めて行く。

 「折り合いには苦労しない馬ですし、いいところに付けてくれていると見ていました。追い比べの競馬になったら負けないと思っていましたし、直線に向いた時には勝ち負けの競馬になると確信できました」

 シュヴァルグランの武器が、長距離戦でこそ生きてくる長くいい末脚。しかし、このジャパンカップ(G1)では前で粘るキタサンブラックを射程圏内に入れると、力強くなったトモを推進力と変えながら一歩、また一歩と加速していく。キタサンブラックをゴール前で交わしきり、そしてレイデオロの追撃も振り切った場所が、栄光のG1勝利となった。

 レース後、林調教主任はすぐに佐々木主浩オーナーにメールを入れる。すると、お祝いの電話やメールで忙しかったにも関わらず、佐々木オーナーはすぐに喜びの声を林調教主任に届けてくれた。

 「友道厩舎のスタッフの方だけでなく、佐々木オーナーも大事にこの馬を使ってくれたからこそ、G1タイトルを掴むことができたのだと思います。まだまだ強くなっていく馬だと思いますし、出走が予定されている有馬記念(G1)、そして、惜しいレースが続いている天皇賞(春)(G1)とこれから更にタイトルを重ねていってもらいたいです」

 そう話した林調教主任がちょっといいですか、と言ったあと、ある馬の名前を口にした。「シュヴァルグランが夏に牧場に帰っていた頃、共に調教を行っていたのがアドマイヤデウスでした。彼のことは非常に残念でなりませんし、そう思うとゴール前でシュヴァルグランの後押しをしてくれたのは、天国のアドマイヤデウスではないかという気もしています」