文字サイズ

文字サイズとは?



HOME > トピックス > 重賞ウイナーINFORMATION > ディオスコリダー


重賞ウイナーINFORMATION

  • サラ系3歳上 (国際)(指定) 別定
  • ダ1200M
  • 天候:晴
  • 芝:良

ディオスコリダー

戦歴 9戦5勝 | 海外:2戦0勝 生産者 前谷武志 馬主 野嶋祥二
調教師 高橋義忠 騎手 津村明秀

取材ノート

 ダートの短距離重賞第10回カペラステークス(G3)が10日、中山競馬場で行われ4番人気の3歳馬ディオスコリダーが7番手から力強く抜け出すと9歳馬スノードラゴンの追撃を半馬身差で振り切り前走の西陣ステークスに続く2連勝、重賞初制覇を達成した。

 同馬は父カネヒキリ、母エリモトゥデイ、母父ワイルドラッシュという血統で新ひだか町の前谷武志さんの生産馬。2016年6月阪神競馬場で行われた新馬戦でデビュー勝ち。今春はドバイに遠征しドバイゴールデンシャヒーン(G1)に挑戦するなどして経験と力をつけて来た。創業50年を迎えた前谷牧場は先代から引き継いで来た土地を守りながら試行錯誤と堅実な仕事を積み重ね、四代目現代表の前谷武志さんは1995年の新潟3歳ステークス(G3)に優勝したタヤスダビンチを送り出している。

 武志さんの子息となる前谷卓也さんはオーナーの野嶋祥二氏と共に中山競馬場でレースを見守っていた。「気性に難しい所がある馬ですのでパドックで入れ込んでいるのを見て、何とか集中していつも通り自分のレースをして欲しいと願っていましたが、好スタートを決めてくれてディオスコリダーらしい走りで勝ってくれて良かったです。カペラステークス(G3)で3歳馬はなかなか勝てないと言われていた中での勝利は嬉しいですね。」と笑顔で話してくれた。この勝利は卓也さんが前谷ファームに帰って来てから9年目で初の重賞勝ちとなったが、野嶋オーナーにとっても初めての所有馬。「初勝利も初重賞もディオスコリダーがとってくれたよ」の言葉が忘れられないと言う。「レース後に「良く頑張ったね!」と昔より大人びたディオスコリダーに声をかけたら「勝ったぞ」と返事が来たような気がしました。晴れ舞台でも立ち振る舞いが堂々としていて頼もしかったです。そんな姿を見て私も頑張らなくてはと思いました。生産馬にお尻を叩かれているみたいですね。」父のように人から信頼される人間になりたいと言う五代目はプレッシャーを感じながらも受け取る覚悟はできていると表情を引き締めた。

 ディオスコリダーは当歳の頃から運動神経が良く、柔らかい動きをしていたので将来の活躍を予感していたそうだ。「食欲旺盛で餌は残した事は無いです。馬格が良くて元気でいつも堂々としている印象でした。実はこの世代には思い入れがあって牝馬のプリティマックスと牡馬全頭がJRAで勝ち上がってくれたんです。」と幼少期の写真を見ながら感慨深げに話す。まだあどけない様子を見ると現在の逞しさは想像できない。「1勝するのも難しい中、勝ち上がってくれているのはとてもありがたいです。これは育成所、厩舎サイド、調教師さん、オーナー、関係者皆様の尽力のおかげです。また、友人が牧場のホームページを立ち上げてくれて、パカラというファンと牧場をつなぐサイトでは私の思いや牧場の日々を紹介する場を作ってくれました。そこで知り合った方が横断幕を作って下さりその前で勝利を飾る事が出来たんです。周りの皆様が色々な形で協力してくれているんです。」

 支えてくれる関係者に感謝の気持ちを込めて自分がやるべきは「喜んでもらえる馬づくり。」そのこだわりは質の良い餌と運動と話す。夜間放牧を実施し放牧地を広くして運動量を確保しながら冬場の運動不足解消のためにウォーキングマシーンも取り入れている。「当歳には放牧地で過ごす短い時間を伸び伸びと過ごせるように環境を整え、食欲旺盛な馬に育てて競走馬となって環境が変わっても食が細くならない馬に育てたいと思っています。幼い日々の様子は写真におさめて馬主さんにお渡しできるように準備しています。」大切な馬に愛情を持って丁寧に育ててきた細やかな気遣いが実を結んで行くのかも知れない。今年の当歳父スマートファルコンの牝馬もバランスが取れた綺麗な馬で元気いっぱいだ。ディオスコリダーの名前の由来は「神の走り」。高いテンションと力強い走りで更なる高みを目指して欲しい。