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重賞ウイナーINFORMATION

  • サラ系4歳上 (国際)(指定) 定量
  • 芝2000M
  • 天候:晴
  • 芝:良

スワーヴリチャード

戦歴 10戦5勝 生産者 ノーザンファーム 馬主 (株)NICKS
調教師 庄野靖志 騎手 M.デムーロ

取材ノート

 スワーヴリチャードが4度目の挑戦で掴んだ、待望のG1制覇。オーナーである(株)NICKSの関係者、そして管理をする庄野靖志調教師が抱き合って喜ぶ姿を、その光景は佐々木淳吏厩舎長にとっても、待ちに待った瞬間でもあった。

 「オーナーにとっては初めてでしたし、先生にとっても、中央では初めてのG1タイトルとなります。オーナーには日頃からお世話になってきており、庄野先生も研修で牧場に来られた頃から親しくさせてもらってきました。中間の調整を行ってくれた、ノーザンファームしがらきのスタッフも含めたチームに加われて、喜びを分かち合えたことが本当に嬉しかったです」と佐々木厩舎長は満面の笑みを浮かべる。それでもゲートが開いてからの1分58秒2の時間は、佐々木厩舎長にとって、様々な感情が揺れ動いた時間でもあった。

 「ゲートが開いて、後方の位置取りとなったときには、正直、大丈夫かなと思いました。しかも思ったよりもペースが上がらず、前の位置で競馬をしてくれれば…とも思っていました」

 先手を奪ったのはヤマカツライデン。ダンビュライトやスマートレイアー、ウインブライトがそのすぐ後に控えるものの、スタートして最初の2ハロン目だけが11秒台のラップを刻んだだけでペースは上がらず、1000m通過は61秒1というスローペースとなった。

 しかし、ヤマカツライデンが1000m通過のハロン棒を通り過ぎようとした時、佐々木厩舎長の思いが届いたかのように一気にまくり上げていったのが、スワーヴリチャードだった。

 「ペースが遅いと見た、M.デムーロ騎手の好判断だったと思います。それでも、あそこでまくっていって、その後に馬を押さえるというのはなかなかできないことでもあり、スワーヴリチャード自身も良く、その指示に応えてくれました」

 残り800mでヤマカツライデンに並んだスワーヴリチャードではあったが、折り合いもきっちりと付いており、M.デムーロ騎手の手応えにも余裕が感じられていた。最後の直線を迎える手前で先頭に踊り出るも、全くその末脚は陰りを見せない。上がり3ハロンのタイムは34秒1ながらも、自身が先行争いに加わった1000m通過のラップからは、ずっと11秒台を刻むという強いレースで、追いすがるペルシアンナイトを退けたという、まさに横綱相撲でのG1初タイトルとなった。

 「ゴール前は何とか凌いでくれと思いながら見てましたが、改めてレースを見返すと、あのペースを後続の馬が差しきるには、よっぽどの脚を使わなければ無理なことに気付かされました。金鯱賞(G2)もそうですが、自分からレースを作って勝てるというスタイルを確立できた感もありますし、その意味でも本当に強い馬になってくれたと思います」

 充実期を迎えたスワーヴリチャード。今後は芝中長距離のトップホースとして、揺るぎない地位を築いていくと思いきや、陣営から次走は安田記念(G1)を目標とすることが発表された。東京スポーツ杯2歳S(G3)、共同通信杯(G3)で芝1800mの条件こそ使ってはいるものの、マイルでのレースはこれが初めてとなる。

 「自分自身もこのプランが発表された時には驚きましたが、行きっぷりの良さや道中のラップからしてもマイルが合っていないとは思えませんし、何よりも左回りで直線の長い東京コースは、スワーヴリチャードにとってベストな競馬場だと思います。このレースを勝利することで、前々からオーナーが話していられた、引退してからの種牡馬としての価値も、更に上がってくるでしょうし、今となっては楽しみしかありません」

 「ゆくゆくは歴史的な名馬にもなってもらいたいです」とスワーヴリチャードにエールを送る佐々木厩舎長。マイルから芝の中長距離のG1を総なめにするだけでなく、今年の競馬を負け知らずで終えたその時、スワーヴリチャードは一気に近年を代表するスターホースと歴史的名馬との両方の評価を、ファンから得ることになるのだろう。