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重賞ウイナーINFORMATION

  • サラ系3歳 OP
  • ダ2000M
  • 天候:雨
  • 芝:重

ハセノパイロ

戦歴 10戦4勝 生産者 廣中稔 馬主 長谷川文夫
調教師 佐藤賢二 騎手 矢野貴之

取材ノート

 『ダービーシリーズ2018』の第4戦「東京ダービー(大井)」は、2番人気のハセノパイロが優勝。道中は外に進路を取りながら前を見る5番手につけ、4コーナーで一気に先頭へ並びかけると、直線は内で粘るクリスタルシルバー、外から伸びてきたクロスケ、最内をついてきたモジアナフレイバーと4頭並んでの激しい叩き合いに。ゴール直前でもうひと伸びしたハセノパイロがクビ差だけ先着し、大接戦をものにして東京ダービー馬のタイトルを手にした。

 「東京ダービーは自宅のテレビで観戦していましたが、最後の直線は力が入りましたね。矢野騎手もうまく乗ってくれたと思います」と話すのは、ハセノパイロの生産者である日高町平賀の広中稔さん。もともとは水田を営む農家だったが、牧場の舗装を手掛ける仕事に職を変え、それがきっかけで30年ほど前から競走馬の生産を始るようになったそうだ。近年の生産馬には、ハセノパイロと同じ船橋・佐藤賢二厩舎に所属し、昨年の東京盃(Jpn2)を制するなど短距離ダートグレードで大活躍中のキタサンミカヅキ(牡8歳)がいる。

 「ハセノパイロは牧場にいたときから大柄な馬だったのですが、非常におとなしい性格をしていたんですよ。パイロの産駒は気が強くてやんちゃな馬が多いのですが、ダーレー(パイロの繋養先)のスタッフが見に来て首を傾げ、不思議がるほどでした。母親に似たんですかね」と笑顔を見せる。

 その母タイキアヴェニューは現役時代に兵庫で11勝を挙げた活躍馬で、4歳時に兵庫クイーンカップ2着、5歳時には重賞の新春賞を牡馬相手に快勝した実績もある。2006年から繁殖入りし、4番仔のリーダーズボード(父ブラックホーク)が名古屋競馬でデビューから破竹の7連勝。中央馬相手の兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)でも3着と健闘し、地元重賞3勝を挙げる活躍を見せた。そして6番仔のハセノパイロが2歳時にハイセイコー記念に優勝。全日本2歳優駿(Jpn1)でも地方馬最先着の3着と健闘し、『NARグランプリ2017』2歳最優秀牡馬に選出されている。「タイキアヴェニューをうちの牧場で繋養するようになって7年が経ちますが、走っているところを一度も見たことがありません(笑)。いっしょに放牧している馬たちが走り回っていても我関せずという感じで、群から1頭だけ離れてのんびりと過ごしています。昨年は不受胎でしたが、今年はミッキーアイルを無事に受胎しました」と、2頭の重賞馬を産んだ優秀な母を紹介してくれた。

 牧場には現在、ハセノパイロの半弟(牡1歳、父ゴールドアリュール)がすくすくと育っていて、8月の北海道サマーセールに上場する予定だそうだ。「こちらはハセノパイロとタイプが少し違い、普段はおとなしいのですが、気の強い面を見せることもあります。兄が東京ダービー馬となり、父はダートの活躍馬を多数輩出しているゴールドアリュールですから、市場でどんな評価をしていただけるか楽しみにしています」と夢を膨らませる。

 「ハセノパイロの次走はジャパンダートダービー(Jpn1)だと聞いています。今度は中央の強敵が相手となりますが、頑張ってほしいですね。佐藤賢二調教師も東京ダービーにつづいて連覇が懸かる一戦となりますから、期待しています」と愛馬にエールを送る広中さん。南関東の頂点に立ったハセノパイロの挑戦は、まだ始まったばかりだ。