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重賞ウイナーINFORMATION

  • サラ系3歳上 (国際)(特指) 別定
  • 芝1800M
  • 天候:雨
  • 芝:重

サトノアーサー

戦歴 11戦4勝 生産者 ノーザンファーム 馬主 (株)サトミホースカンパニー
調教師 池江泰寿 騎手 戸崎圭太

取材ノート

 ノーザンファーム早来に牡馬4厩舎、牝馬4厩舎の合計8厩舎で育成馬の管理が始まったのが2016年。その時、伊藤厩舎における一期生となったのがサトノアーサーだった。

 「動きは柔軟で可動域も広く、この馬のリズムで走ろうと思うと、想定していた以上の時計が出てしまうほどでした」と伊藤隆行厩舎長は当時の印象を振り返る。サトノアーサーはトップサイアーのディープインパクト産駒で、母キングスローズはニュージーランドのG1ホース。しかも、セレクトセールでは2億1,060万円(税込み)で取引されており、デビュー前からクラシック候補として注目を集める存在ともなっていた。

 「それでも前向きな気持ちと、まだ、完成仕切っていない身体がアンバランスになっているような印象もありました。調教の動きは申し分ないとは思っていた一方で、時間をかけながら完成していく馬だとも思っていました」

 単勝1.1倍という圧倒的な支持を集めたメイクデビュー阪神を勝利したサトノアーサーは、続くシクラメン賞も勝利。この勢いで重賞を勝利して、一気にクラシック制覇の青写真も描けたように思えたが、続くきさらぎ賞(G3)、そして毎日杯(G3)と2着に破れてしまう。

 日本ダービー(G1)に出走こそ果たしたが、そこで10着に敗れると、神戸新聞杯(G2)の3着を挟んで出走した菊花賞(G1)は11着に大敗。潜在能力の高さは誰もが認めるところだったが、クラシック制覇という結果を出すまでには至らなかった。

 しかし、伊藤厩舎長は今年に入ってからのサトノアーサーの馬体に、ある変化を感じ取っていた。

 「TVで見ていたメイSのレースですが、画面越しにもトモが逞しくなったような印象を受けました。このエプソムC(G3)もTVでの観戦となりましたが、相変わらずトモのボリュームに目を奪われていました。東京へは2度続けての輸送であり、調教も動いていたにも関わらず、馬体重がメイSと同じ(480s)だったのを見て、いい状態で競馬ができるのではと期待をしていました」

 2歳時のシクラメン賞では上がり3ハロンを32秒台で上がってくるなど、切れのある末脚を武器にしていたサトノアーサーであったが、雨が降りしきり、重馬場の中で行われたこのエプソムC(G3)では好位でのレースを選択していく。

 「決していいとは言えない馬場状態の中で、ポジションを取りに行きながら、自分のリズムで走れたこと。そして直線では馬場のいいところに進路を取れたことなど、全てが上手くかみ合ったのかもしれません。それでもサトノアーサー自身が完成期に入ったことが、この強い勝ち方に繋がったと思います」

 レース後、管理をする池江調教師からは、「芝のマイルから中距離があっている馬、今後は天皇賞(秋)(G1)を視野に入れていく」との言葉もあったが、伊藤厩舎長も今のサトノアーサーには、芝の中距離がベストパフォーマンスのできる条件だと思っている。

 「種牡馬にもなれる馬だと思っていますし、マイルから2000mで大きなレースを勝つことで、種牡馬としての価値も上がってくると思います。そのためにも、秋はG1レースでの活躍を期待したいですね」

 サトノアーサーを含めた一期生以降も、毎年のように重賞戦線を沸かすような育成馬を送り出している伊藤厩舎。しかし、厩舎にとって初めてのG1馬となるのは、一期生として送り出したサトノアーサーとなるのかもしれない。