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重賞ウイナーINFORMATION

  • サラ系3歳上 (国際)(特指) 定量
  • 芝2000M
  • 天候:曇
  • 芝:稍重

サングレーザー

戦歴 15戦7勝 生産者 追分ファーム 馬主 (株)G1レーシング
調教師 浅見秀一 騎手 福永祐一

取材ノート

 G1馬3頭が北の地に集結。中央開催の夏競馬における注目の一戦となった札幌記念(G2)。ゴール前ではG1馬のマカヒキ、モズカッチャンがデッドヒートを繰り広げる中、インコースから鋭く伸びて勝利をあげたのは、これが重賞3勝目となるサングレーザーだった。

 安田記念(G1)の後、サングレーザーは育成先でもあった追分ファームリリーバレーで調整されてきた。この札幌記念(G2)当日、競馬場にはその過程を全て見守ってきた河野義大厩舎長の姿があった。

 「牧場に戻ってきた頃から、札幌記念(G2)を視野に入れて調整していくという話はありました。2000mのレースは2歳時のホープフルS(G2)以来でしたし、スピードだけで無く、スタミナの強化も図りながら、いいバランスで調教を進めて行かなければならないと思ったのは事実です」

 サングレーザーは昨年の夏も追分ファームリリーバレーで調整が行われている。その際、河野厩舎長が特に苦労したのが馬体作りだったという。

 「当時は3歳ということもあったのですが、筋肉量も乏しく、馬体もどこか薄く見えていました。飼い葉食いにも苦労する馬で、鍛えながら馬体を大きくしていくにはどうしたらいいかと、日々、試行錯誤を繰り返してきました」

 ただ、昨年と比べた場合のサングレーザーは、年齢を重ねたことで体質面が強化されたのか、速い調教を行った際にも馬体減りがそれほど見られなくなっただけでなく、何よりも昨年の経験から培った飼養管理も上手くいったことで、鍛えながら馬体を充実させることができた。そうなると、問題は距離の克服となるのだが、河野厩舎長は周回コースを用いてのインターバル調教を行うことで、馬の気持ちにメリハリを付けていくようにした。

 「コーナーは速い時計で入った一方で、直線は遅くしたり、その逆の調教も行う日もありました。当初はサングレーザー自身も戸惑いが見られましたが、日に日に乗り役の指示を聞き入れて動けるようになっていきました」

 心身共に成長を遂げたサングレーザーに、河野厩舎長は強豪の集まる札幌記念(G2)ですら、勝ち負けのレースができるという確信を持つようになっていた。この日の馬体重は安田記念(G1)の時からプラス2s。だが、パドックを周回するその姿は、自信と充実感に満ちあふれており、G1馬たちとも全く引けを取らないように思えた。

 1000m通過が59秒1という速い流れの中、サングレーザーは距離ロスを抑えるために、中団に構えて先行勢を追走していく。馬群が一気に凝縮した最後の直線、サングレーザーの進路はどこにも無いかのように思えたが、ゴール板の手前でできたほんの僅かの隙間から鋭く抜け出しを図る。外を回って伸びてきたのはマカヒキ。ゴールの瞬間は首の上げ下げとなったが、その差10pだけ前に出ていたのはサングレーザーだった。

 「あの10pには、福永騎手の好騎乗やサングレーザーの勝負根性だけでなく、我々牧場スタッフの想いも凝縮されていると思っています。この夏、育成厩舎のスタッフには厳しいことも言ってきましたし、これだけの馬に接してきたというプレッシャーもあったと思いますが、この結果は大きな自信となったと思います」

 そう話した後に、「ゴールの瞬間は泣きそうになりました」と誰よりもプレッシャーを感じてきたからこそ、そこから解き放たれた心情を口にする。レースの2日後、サングレーザーは秋競馬に向けての調整を追分ファームリリーバレーで行われているが、いいリフレッシュが図れているとのことで、次走もこの札幌記念(G2)のような強い姿を見せてくれるに違いない。

 「レースの後には福永騎手も招いて祝勝会も行いましたが、その時にはこの馬をG1馬にしてやりたいとも話してもらいました」そう話した後で河野厩舎長は、「その時には、たえ切れなくなって泣いてしまうかもしれませんね」と笑顔を見せた。