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重賞ウイナーINFORMATION

  • サラ系2歳 OP
  • ダ1200M
  • 天候:曇
  • 芝:稍重

アークヴィグラス

戦歴 6戦4勝 生産者 村上牧場 馬主 アークフロンティア(株)
調教師 小野望 騎手 石川倭

取材ノート

 『グランダム・ジャパン2018』2歳シーズンの第2戦は、門別競馬場1200mが舞台となる中央・地方交流の2歳牝馬ダートグレード「エーデルワイス賞(Jpn3)」。4頭の中央馬を道営馬12頭が迎え撃つ形となったフルゲートの一戦は、4番人気の地元馬アークヴィグラスが1番人気の中央馬デンバーテソーロをクビ差退けて優勝。これでアークヴィグラスは、フルールカップ、リリーカップにつづいて重賞3連勝。道営馬による同レース制覇は昨年のストロングハートに次いで史上9頭目、サウスヴィグラス産駒による優勝は近7年で4回目と改めて抜群の相性を誇示する結果となった。

 アークヴィグラスの生まれ故郷は、新冠町のサラブレッド銀座に牧場を構える村上牧場。この地で約70年の歴史を持ち、2003年の兵庫ジュニアグランプリ(G3)を制したタイセイブレーヴや、地方の重賞で9勝をあげたクインオブクインなどの活躍馬を生産。またアラブの時代の代表生産馬には、セイユウ記念を3連覇(1993年〜1995年)したシゲルホームランがいる。

 「エーデルワイス賞(Jpn3)は現地で観戦していました。中央からも強い馬が来ていましたし、パドックを見ると他の馬たちが立派に思えて少し気後れしていたのですが、レースでは早め先頭から押し切る堂々とした勝ちっぷりでしたね。石川倭騎手も、馬の力を信頼して騎乗しているように感じました」とレースを振り返るのは、生産者の村上博将さん。アークヴィグラスの応援に競馬場へ来たのは前走のリリーカップにつづいて2度目だそうで、「2度とも重賞の表彰台に上ることができたのは幸運なことですね」と満面の笑みを浮かべる。

 アークヴィグラスの母キセキノショウリは現役時代、南関東の川崎競馬に所属し、デビュー4戦目に初勝利をあげたものの、3歳時に8戦を戦ったのみで早々に競走生活を退いている。「キセキノショウリは知り合いから譲ってもらった繁殖牝馬なのですが、堅実なフジキセキ産駒であることと、ちょうどその時期に近親のタガノエトワールが秋華賞(G1)で3着するなど良い走りをしていたことに魅力を感じて導入を決めました。祖母には中央の重賞を5勝したダイナフエアリーがいて、その牝系からはサマーサスピション、ローゼンカバリー、ホクトスルタンといった多くの活躍馬が出ていますからね」と血統背景を解説。「ただ、この牝系は気性のきつい馬が多いので心配もあったのですが、キセキノショウリはおとなしい性格なので助かりました」と母馬を紹介してくれた。

 その父フジキセキのスピードをより生かしたいと考え、初年度にサウスヴィグラスを交配。そして翌年生まれてきた牝馬がアークヴィグラスだった。「母の初仔ということもあって生まれた時から小さく、おまけに食が細かったために成長も遅くてせりでもなかなか買い手がつきませんでした。それでも1歳秋のオータムセールの頃にはトモがしっかりとしてきて、小さいながらも見栄えのする体に成長してくれました」と牧場で過ごした時期を思い出し、当時の販売用せり名簿に掲載された写真を見せてくれた。そのオータムセールでは、多くの声がかかって669万6,000円(税込)でアークフロンティア(株)が落札。門別の小野望厩舎へ入厩し、今年5月31日のフレッシュチャレンジ競走2(門別1000m)でデビューを迎えた。「デビュー戦が直線すごい脚を使って差し切るインパクトのある勝ち方だったので期待は高まりましたが、まさかその4か月後に交流重賞を勝つとまでは想像していませんでした。まさに“キセキノショウリ(奇跡の勝利)”といった感じですかね(笑)」と笑顔で話してくれた。

 「次走は南関東へ遠征してローレル賞に挑戦すると聞いています。マイルは初めてなのでどんな結果になるかわかりませんが、血統的には距離もこなせると思いますので期待して観たいですね。できれば川崎競馬場へ応援に行きたいと思っています」と愛馬にエールを送る村上さん。2歳牝馬のダート頂点に立ったアークヴィグラスが、今後どんな“奇跡の勝利”を積み重ねていってくれるか楽しみだ。