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重賞ウイナーINFORMATION

  • サラ系3歳上 (国際)(指定) 定量
  • 芝2400M
  • 天候:晴
  • 芝:良

アーモンドアイ

戦歴 7戦6勝 生産者 ノーザンファーム 馬主 有限会社シルク
調教師 国枝栄 騎手 C.ルメール

取材ノート

 2018年の11月25日。東京競馬場で行われたジャパンC(G1)。そのレースを見た者は、「世界一」を目の当たりにした。

 それは、この日に競馬場に来場した98,988人だけではない。TV、ラジオなど、様々なメディアからジャパンC(G1)を体験した誰もが、アーモンドアイの強さだけでなく、「2分20秒6」という従来のレコードを大きく上回る勝ち時計に衝撃を受け、そして、芝2400mの距離を世界一速く走ったサラブレッドに、賞賛の声を送った。

 「勝ち時計を見てびっくりしました。あり得ないとも思いましたし、あんな時計を出せる馬がいるのかという気もしました」と話すのは、アーモンドアイの騎乗育成を手がけたノーザンファーム早来の岡真治厩舎長。レースはTV観戦していたというが、画面越しにもアーモンドアイの「世界一」の走りは伝わってきました、とも話す。

 その岡厩舎長だが、ジャパンC(G1)の数日前に、アーモンドアイが調整されていたノーザンファーム天栄に研修で出向いていた。

 「担当していたスタッフは、絶好調だったオークス(G1)のレース前を彷彿とさせるような、いい状態で送り出せたと話していました。秋華賞(G1)は余裕を持たせた作りだったそうなのですが、今回はきっちりと作り込んでいったとのことだったので、馬体重は減るかな、と思っていたら想像通りでしたね」

 このジャパンC(G1)における、アーモンドアイの馬体重は前走の秋華賞(G1)よりマイナス8sの472s。ただ、秋華賞(G1)がオークス(G1)との比較ではプラス14sでの出走となっており、春からの成長分はそのままに、より、馬体を引き締めたようにも見受けられた。

 このレコード樹立に大きく関係したのはレースの終盤に向けて、ペースが上がっていく特殊なラップだったことも関係している。しかしながらデビューからの6戦で、常に上がり3ハロンの最速タイムを樹立してきたアーモンドアイと言えども、後方からの追い込みでは、とても交わしきれなかっただろう。

 1枠1番からの出走となったこのジャパンC(G1)で、アーモンドアイが取った戦術とは、デビュー以来、初めてとなる「先行」スタートで好位置を取ると、その後は先手を奪ったキセキのすぐ後でレースを進めて行った。

 「好スタートを切ったときには驚きましたが、陣営も騎手も前で競馬をすることはプランとしてあったと思います。速い流れとは思いましたが、それでも楽に追走しているようにも見受けられましたし、直線を向いた時には大丈夫だと思っていました」

 最後の直線、ハイラップを刻んでいたキセキが、更に脚を延ばしながら逃げ切りを図る。その後にいたアーモンドアイは、すぐには交わしさること無く、残り300mでルメール騎手のゴーサインが出たときに、初めて先頭へと踊り出る。後は世界レコードを更新するためのタイムトライアルとなっていた。

 この勝利で牝馬三冠を含めてG1 4勝。古馬のトップホースを打ち破り、まさに日本最強馬となったアーモンドアイに対し、陣営からは海外挑戦のプランも発表された。

 「ジャパンC(G1)でいい結果を残せれば、海外遠征の話も現実となっていくのだろうとは思っていましたが、その想像を超えるような結果を残してくれました。世界に送り出せるような馬に接していたのは誇りですが、その分、これからの仕事を更に頑張っていかなければとの思いもあります」

 その言葉を証明するかのように、ジャパンC(G1)週に行われた白菊賞では、育成馬のラヴズオンリーユーが優勝。その他にも育成を手がけた現2歳世代は、続々と勝ち上がりを見せている。

 改めて岡厩舎長に「これまで携わっていた競走馬では一番ですか」と訪ねると「そうですね」との答えを返してくれた後に、「それでも、ノーザンファームで働かせてもらっていると、また、凄い馬に出会えそうな気がしています」と世界一のサラブレッドを育てたホースマンは、世界一と思えるような笑顔を見せてくれた。