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重賞ウイナーINFORMATION

  • サラ系3歳 (国際)牝(指定) 馬齢
  • 芝1400M
  • 天候:雨
  • 芝:稍重

プールヴィル

戦歴 7戦3勝 生産者 社台ファーム 馬主 吉田照哉
調教師 庄野靖志 騎手 秋山真一郎

取材ノート

 フィリーズレビュー(G2)は未勝利戦を勝ち上がったばかりのノーワンが、中団から鋭く抜けて優勝。桜の切符をめぐる激戦を制し、一躍クラシック候補へ名乗り出た。

 本馬の生産は新ひだか町静内の飛野牧場。昭和25年創業で、過去には帝王賞(G1)を逃げ切ったネームヴァリューや、目黒記念(G2)を勝って種牡馬となったスマートロビンなどを生産している。この春は本馬に加えて、ロジャーバローズが皐月賞(G1)トライアル・スプリングS(G2)に駒を進め、牧場を盛り立てている。現在、繁殖牝馬は17頭で、スタッフ4名が働いている。

 レース当日、同牧場の飛野正昭社長は、スタッフと一緒に牧場で本馬の走りを見守っていた。「鞍上の坂井瑠星騎手がオーストラリアでの修行経験を生かしながら、馬の力を引き出してくれましたね。牧場にとって大事にしていた血統の馬なので、花を咲かせることができて嬉しいです」と、喜びを語った。

 ゴールは接戦となり、結果は同着。飛野社長の携帯電話には、写真判定が出る前からお祝いの電話が鳴り始め、しばらく鳴りっぱなしだったという。置き場がないぐらい沢山の祝福の花が、牧場を埋め尽くした。

 本馬は父ハーツクライ、母プレイガール、母の父カーリアンという血統。母の12番目の子として誕生した。牧場時代の本馬については、「健康でしたね。気が強くて、牝馬の放牧地では目立っていました。当歳から昼夜放牧をして、冬でもよほど寒い日以外は放牧していました」と、振り返る。

 同牧場では近年、長時間放牧できるように、土地を拡張。加えて、土地・草の分析をして、強い馬づくりのための環境を目指している。

 本馬は1歳時、ニューワールドレーシング(オーナーズ)と縁があり、同クラブ所有馬となった。募集総額は2,000万円。トライアルで先頭ゴールを切り、同クラブが立ち上げから狙いすましていた桜花賞(G1)への道を、現実のものにした。飛野社長は、「ニューワールドレーシング代表のタバートさんも、今回のレース後、すごく喜んでいました。ずっと桜花賞(G1)を意識していたクラブですから、結果を出せて嬉しいです」と、安堵する。

 母プレイガールは、同牧場が英国から導入した。その祖母サンプリンセスは日本でよく知られる実績馬バレークイーンの母で、カーリアンを父に持つプレイガールは、日本ダービー馬フサイチコンコルドと非常に近い血統となる。

 プレイガールは、英国のタタソールズ・ディセンバーセールに上場馬となったところで、飛野社長は目をつけ、商社ジェイエスに代理購買を依頼。しかし、飛野社長のもとに「プレイガール欠場」の知らせが入る。「サンプリンセス〜バレークイーンの血統、一族が魅力で、牧場の繁殖牝馬にしたかったのですが、なかなか手に入りませんでした。プレイガールは欠場とわかってからも、どうしても手に入れたくて、ジェイエスの方にすぐに動いてもらい、導入できました。プレイガール自身は、すごく利口な馬で、バランスの良さはノーワンにも通じていますね」と、飛野社長。11年前の執念が実り、今回の勝利につながった。

 現在、同牧場にはプレイガールの6番目の子にあたるゴールドヴァレーが繁殖生活を送っていて、牧場こだわりの血統馬として、次なる重賞馬を目指している。

 前哨戦Vを弾みに、大舞台に立つことになった本馬。今後について飛野社長は、「まずは桜花賞(G1)が楽しみですね。牧場にとっては忙しい時期ではありますが、当日は応援に行きたいと思っています。ノーワンは480kgありますし、それほど馬体減りもしないので、個人的にはオークス(G1)も十分向いている馬ではないかと思っています」と、期待を膨らませている。