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重賞ウイナーINFORMATION

  • サラ系3歳上 (国際)(特指) ハンデ
  • 芝1200M
  • 天候:晴
  • 芝:稍重

ラブカンプー

戦歴 30戦3勝 生産者 奥山牧場 馬主 増田陽一
調教師 森田直行 騎手 斎藤新

取材ノート

 JRAサマープリントシリーズ第2戦「第56回CBC賞(G3)」は、好ダッシュから積極的な先行策を取った日高町の奥山博氏生産ラブカンプーがそのまま後続に影をも踏ませぬ逃走劇で、19回目の重賞挑戦(JRA重賞は18回目)で初制覇。通算成績を29戦3勝とした。1966年に軽種馬生産をスタートさせた奥山博さんにとっては、2018年オーシャンS(優勝馬キングハート=生産者名義は奥山牧場)以来2年ぶり2頭目。父ショウナンカンプにとっては2014年ニュージーランドトロフィー(G2)(優勝馬ショウナンアチーヴ)以来のJRA重賞勝利となった。

 現在、奥山育成センターの代表も務める実息の奥山昌志さんは「実家の生産馬で1歳の秋まで当牧場で育成しておりました。このレースには、当牧場で市場コンサイニングをさせていただいた馬が人気になっていたのでそちらを楽しみにしていたのですが、この結果は嬉しいのはもちろん、びっくりしているというのが正直なところです」と嬉しい誤算に声を弾ませた。

 それもそのはずで、3歳秋のスプリンターズS(G1)で2着して将来を嘱望されたラブカンプーは、その後15連敗。逃げては末を失うというレースを繰り返してすっかり人気をなくしていた。

 ただ、レースの前には「前走(韋駄天S)のレース内容に復活の兆しみたいなものを感じていましたし、森田調教師もそのようなことをおっしゃっていたので、今回は先々につながるようなレースをして欲しいと願っていました」という生産者の思いを良い意味で裏切る快走劇。「調子が悪いときは4角で失速していましたが、今回はスタートから気分良さそうに走っていましたし、4角では逆に突き放す強い内容。残り200mくらいでは勝利を確信しました」。セーフティリードに差を広げた愛馬に牧場事務所のテレビから「頑張れ」と声をかけ続けていたという。

 ラブカンプーについて、牧場時代の印象を訪ねると「今でこそ440kg台の後半にまで成長しましたが、デビュー戦は426kgと小柄な馬でした。この数字が示す通りに、決して大きな馬ではなかったですが、母ラブハート譲りの気の強さを持った馬でした」という。半兄キングハートもレースを使われながら馬体重を増やしていったように成長力が持ち味のファミリーかもしれない。

 しかも「ただ気が強いだけではなく、トモのつくりなんかはJRAで4勝し、準オープンまで出世してくれた母親とよく似た馬でした」という。「母親のように」と期待されたラブカンプーは、いつしか母がなしえなかった重賞タイトルを牧場にもたらすまでに成長してくれた。

 「このあとは、サマースプリントの王道、そして秋にはまたスプリンターズS(G1)へと挑戦してほしいと思っていますが、まずは無事に。競走を終えたあとも大きな仕事が待っている馬ですから、この馬らしい競馬をしてくれることと、無事に牧場へと戻ってくれることを期待したいと思います」と話し「調子が悪いときもあきらめずに待ったいただいたオーナーや、この馬を信じてくれた森田調教師や厩舎スタッフ、携わったすべての方に感謝の気持ちを伝えたいと思います」