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重賞ウイナーINFORMATION

  • サラ系4歳上 (国際)(特指) ハンデ
  • 芝2000M
  • 天候:曇
  • 芝:良

ヒシイグアス

戦歴 11戦6勝 生産者 ノーザンファーム 馬主 阿部雅英
調教師 堀宣行 騎手 松山弘平

取材ノート

 2021年の中央競馬で最初の重賞競走となった中山金杯(G3)。この験のいいレースを勝利したのは、これが初重賞制覇となるヒシイグアスだった。

 育成先となったのはノーザンファーム空港のS-1厩舎。育成を手がけた足立稔厩舎長は、「今年、最初の重賞を勝てたことだけでなく、育成時は苦労も多かっただけに、重賞という結果を出してくれたことも嬉しいです」と話す。2016年のセレクトセール当歳セクションでは、1億476万円(税込)という高い評価を受けたヒシイグアス。その高い評価を物語るかのように、育成厩舎への入厩時から上手っぷりの良さは抜けていた。

 「ただ、本格的に乗り出すまで時間を要しましたし、この世代の管理馬では一番と言っていいほどにうるさい馬でした。自分だけで無く、当時、携わっていたスタッフの誰もが、あの馬には手を焼かされたと思います」

 それでも足立厩舎長やスタッフは、時間を競走馬としての身体作りを行うだけでなく競走馬としてのしつけも教えていく。その成果が実を結んだと言えるのが、デビュー2戦目となる未勝利戦での初勝利と、続く若竹賞の連勝と言えるだろう。

 その後はスプリングS(G2)、ラジオNIKKEI賞(G3)と続けて重賞に挑戦。上位人気に支持されるものの、結果を残せず、調整のためにS-1厩舎へ戻ってくる。

 「戻ってきた時は体調が悪く、なかなか運動を進められなかったどころか、競馬場に戻すのにも時間を要することになりました。この頃はまだ身体も出来上がっていなかったのでしょう」

 次の年の夏にもS-1厩舎で調整されることとなったヒシイグアスであるが、その時は育成時の印象とはガラリと変わって、非常に大人しくなっていた。

 「最初の頃は馬が変わったと思えた程でしたが、それでも、元気になっていくに従って、どんどんうるさくなっていきました。管理をする堀先生と話す機会もありましたが、堀先生も『この馬は体調がいいと元気になるので、とても分かりやすい』と言っていて、その通りだと思いました」

 それは競走成績にも表れていると言えそうだ。昨年の夏、C-1厩舎から戻って最初のレースとなるウェルカムSを優勝。その後、充分な間隔をとって使われた中山金杯(G3)でも、1番人気の支持に見事応える勝利をおさめる。

 「レース後の疲労も溜まりやすいだけに、管理をしてくださっている堀厩舎の皆さん、そして調整先となっているノーザンファームしがらきのスタッフの苦労も多い馬だと思います。それだけに関係者の皆さんに感謝すべき勝利ともなりました」

 5歳を迎えても、まだ、その可能性は右肩上がりと言えるヒシイグアス。重賞を勝利したことで、この後のローテーションも組みやすくなるだけでなく、更に大きなタイトルも充分に期待できそうだ。今後も元気が有り余りすぎて、携わる人に迷惑をかけるかもしれないが、その苦労は勝利と言う形で返してくれるに違いない。