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重賞ウイナーINFORMATION

  • サラ系2歳 (国際)牡・牝(指定) 馬齢
  • 芝1600M
  • 天候:晴
  • 芝:良

ドウデュース

戦歴 3戦3勝 生産者 ノーザンファーム 馬主 (株)キーファーズ
調教師 友道康夫 騎手 武豊

取材ノート

 名手武豊騎手が、過去21回で一度も勝てていなかったG1レースだった朝日杯FS(G1)。22回目の挑戦でその悲願を叶えてくれたのが、ノーザンファームの生産育成馬であるドウデュースとなった。

 実はドウデュースの育成を手掛けた、ノーザンファーム空港の木村純一厩舎長にとっては、これが厩舎の管理馬としては初めてのG1勝ち馬ともなる。

 「厩舎を任せていただいてから様々な目標を掲げてはきましたが、その中でも1つ達成できたとの思いはあります。共に頑張ってきた厩舎スタッフと喜びを分かち合えたことも嬉しかったですし、モチベーションが更に上がる結果にもなりました」と木村厩舎長は笑顔を浮かべる。メイクデビュー小倉に続き、アイビーSも制してからの朝日杯FS(G1)優勝。まさに仕上がりが良く、スピード能力にも秀でた感を受けるドウデュースであるが、育成時の評価は全くと言っていいほどに違っていた。

 「見た目には筋肉量が豊富で、体力面にも恵まれていましたが、ストライドも小さかったからか、マイル向きと思えるようなスピード能力は感じられませんでした。産まれも遅く(5月7日産まれ)、ハーツクライ産駒ということからしても、菊花賞(G1)の頃に良くなるのではと思っていた程です」(木村厩舎長)

 木村厩舎長が菊花賞(G1)向きだと思えたもう一つの要因は、この頃からコントロールの効く走りができていたことも関係している。ただ、恵まれた筋肉量の割には筋肉の強さには乏しく、切れというよりも長くいい脚を使えそうな走りをしていたことも、菊花賞(G1)向きと判断させる理由だった。

 「2歳時からの活躍だけでなく、これほど高いマイル適性があるとも、全く想像していませんでした。ただ、調教では勝負根性も感じさせていましたし、調教を重ねるにつれて、ストライドにも伸びが出てくるようになってきました」(木村厩舎長)

 この時期にしっかりと鍛錬を積まれたことが、2歳時からの能力開花へと繋がっていく。メイクデビュー小倉では上がり最速の末脚で勝利。その時よりも最後の直線が伸びたアイビーSでは、長くいい脚を使って、後続勢の追撃を振り切ってみせた。

 「まさに嬉しい誤算でした。朝日杯FS(G1)よりもホープフルS(G1)向きかなと思っていましたが、この馬の特性を見抜いてローテーションを組んでくれた陣営のおかげであり、そして武豊騎手の好騎乗が、勝利を引き寄せてくれたと思います」(木村厩舎長)

 その武豊騎手もレース後に、「基本、そんなに手のかからない馬」と話していたが、それはレースでの折り合いとしても遺憾なく発揮されていく。

 最後の直線、1番人気を集めたセリフォスが先頭に躍り出るも、そこまで脚を溜めていたドウデュースが一気に末脚を使っていく。最後は2頭の叩き合いとなったが、牧場時代に見せていた勝負根性をここで発揮して半馬身差先着。武豊騎手にも、そして木村厩舎長には、G1制覇も含めて初めてとなる朝日杯FS(G1)勝利となった。

 レース後、木村厩舎長のスマートフォンには、次から次へと連絡が届いた。

 「以前、厩舎の初重賞馬となったルークズネスト(ファルコンS(G3))以上の着信でした。それもまた嬉しかったですし、改めてG1を勝つ凄さを感じさせられました」(木村厩舎長)

 この勝利をきっかけとして、次の年のクラシックウイナーも誕生している出世レースである朝日杯FS(G1)だが、勿論、木村厩舎長も来年のクラシック戦線での活躍を期待している。

 「2歳時から結果を残してくれていますが、決して早熟馬では無いと思います。距離も間違いなくこなせるはずですし、今後、どのような成長を遂げていくのかが楽しみでなりません」(木村厩舎長)

 今年、ドウデュースがどのようなローテーションを進んでいくかにも注目が集まるが、嬉しい誤算はこれからも続いていくことは間違いなさそうだ。