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重賞ウイナーINFORMATION

  • サラ系3歳 (国際)(特指) 別定
  • 芝1800M
  • 天候:晴
  • 芝:良

ブラストワンピース

戦歴 3戦3勝 生産者 ノーザンファーム 馬主 有限会社シルク
調教師 大竹正博 騎手 池添謙一

取材ノート

 2歳11月のデビューから、無傷の3連勝で毎日杯(G3)を制覇。この成績だけを見れば、ブラストワンピースが、牡馬クラシック戦線の構図を一変させてしまうような新星であり、そして牧場時代からどれほどの動きを見せていたのだろうかと想像してしまう。

 しかし、ノーザンファーム空港で育成調教に携わってきた、R厩舎の佐々木淳吏厩舎長にとって現在の活躍は、少なくともブラストワンピースがイヤリングから育成厩舎に入ってきた頃を振り返ると、全く想像にもできなかった。

 「初めて見た時は馬体が薄く見えたように筋肉量が乏しく、同世代の馬たちと比べても、成長が遅いようにも見受けられました。まずは、身体が出来上がってからではないと、十分な調教もできないと思い、飼い葉の調整には特に気を使いました」

 同世代の馬たちが、早期の入厩を見越して速い時計を出しているときでさえ、ブラストワンピースは馬体作りを重点としたメニューが組まれていた。それでも2歳の春を過ぎてからは、筋肉の発達が目立ちはじめ、そこから、ようやく乗り込み量を増やして行けるようになった。夏を迎えると時計を出す調教を何本も行えるようになり、その時に初めて、入厩のプランが立てられた。

 「移動時期が決まった頃でさえ、デビューに向けての態勢を整えられたぐらいの気持ちでした。それだけに新馬戦を勝ってくれた時は嬉しかったですが、続くゆりかもめ賞のレースを見て、実は本当に強い馬なのでは、と思うようにもなりました」

 日本ダービー(G1)と同じ、東京競馬場の芝2400mで行われたゆりかもめ賞。デビュー戦で見せた力強い末脚が評価され、このレースでは2番人気の支持を集めるも、最後の直線では馬群の中で進路を失ってしまう。だが、そこから僅かな進路を付いて伸びてくると、残り一ハロンで先頭に立ち、そこから後続馬をあっという間に突き放していく。

 ゆりかもめ賞のレース内容が評価された毎日杯(G3)では、1番人気の支持を集めるも、最後の直線で抜け出しを図った際に、前を行くウォーターパルフェと柵の間に挟まれてしまう。しかし、その圧力をはね除けるかのようにグイッと伸びて先頭に踊り出ると、そこから危なげなく加速を続けて行きゴール。昨年はアルアインが勝利して、続く皐月賞(G1)も制した出世レースに、また未来のG1候補誕生を感じさせた。

 「いつ変わるかな、と常に神経を使ってきた馬でした。それでも課題を一つ一つクリアしてくれていたのは事実でしたし、結果的には入厩のタイミング、その後のレース選択なども含め、全てがブラストワンピースに合っていたのでしょうし、ブラストワンピースもまた、その時々でチャンスを掴んでくれました」

 「この勝利は自分だけでなく、共に働く厩舎スタッフにとってもいい刺激となりましたし、いい経験もさせてもらいました」とも話す佐々木厩舎長。次走は日本ダービー(G1)に直行するプランが発表されたが、ゆりかもめ賞の勝ちっぷりからしても、距離に不安は無く、しかも東京コースで2勝という実績もまた、惑星馬には終わらない可能性を感じさせる。

 4戦4勝でのダービー制覇となれば、05年のディープインパクト以来となる快挙。しかし、これまでのレースで示した能力の高さに加え、底知れぬ成長力も兼ね備えたブラストワンピースなら、それすらも叶えてしまうのではないかという気がしてくる。